MBAを取る大学を選ぶときって、なるべく具体的に講義の様子とかを知った上で決めたいですよね?
MBAを取るまえの私は大学をググって調べてみたものの、公式HPくらいしか情報を得ることができませんでした。
何校も体験クラスに行く時間もないですし、入学する前はどこも良くみえるので決めきれません。
私はグロービス経営大学院に3年間通って卒業しました。
この記事は私の実体験を踏まえて、MBAをどの大学でとろうか悩んでいる方の参考になればと思います。
グロービス経営大学院とは -学生数と拠点数-
グロービス経営大学院は私立大学です。前身のグロービス創業者である堀義人学長はハーバードビジネススクール(MBA)在学中に、日本でもハーバードのような優秀な人材を輩出できる学校を作りたいと思ったのがはじまりです。
最初はアパートの一室とかで学長自ら講義をしていたようですが、今では2019年度入学の生徒数が902人でダントツのNo.1です。理由は社会人でも通いやすい仕組みにあると思います。
拠点は東京/大阪/名古屋/仙台/福岡にあります。堀義人学長の出身地である栃木県の水戸と横浜に特設校があり、オンライン講座もあります。
日本や外国のどこにいても学べるので、社会人でMBAを取ろうとしている人の味方です。他の大学でここまで学生の通いやすさを追求しているところはありません。
生徒数:902人(2019年度入学数) 常設校:東京/大阪/名古屋/仙台/福岡 特設校:水戸/横浜(2020年5月から常設校) オンライン:日本語/英語
入学はどこかの校舎を選択します。学生数が一番多いのが東京で600名くらいでしょうか。次に大阪、名古屋、仙台、福岡と続きます。
学生数を増やし続けているので、特設校だった横浜校を常設校にします。大阪よりも人数が多くなりそうですね。7割くらいは関東圏の社会人ということになります。
もし入学すれば2年以上通学しますが、転勤があったとしても転校できます。ど田舎や海外に飛ばされてもオンラインがあるのでなんとか卒業できると思います。
急な出張で講義に出られなくなっても、振替で別日の講義に出られるので柔軟にスケジューリングできます。
私の周りにも海外出張だらけの方や、校舎がない地域に異動になった方もいらっしゃいました。
しかしグロービスのサポート体制が整っているので卒業できています。海外転勤になってしまい休学を取られた方もいます。
グロービス経営大学院のシステム -入学から卒業までのペースと費用-

お金もかかるだろうし不安なことだらけだなー
働きながらMBAの勉強をしたり、講義に出たりするのは大変です。
勉強するペースがざっくりでもイメージできたら、自分でもできるかどうか判断できるようになると思います。
数字が多く出てきますが入学から卒業までの勉強ペースを紹介します。
勉強のペース
入学してから卒業まで最短で2年になります。1科目は基本3ヶ月で学びます。講義は2週間に1回、合計6回です。
2年で卒業しようとすると1期(3ヶ月)で3科目取らないと間に合いません。
6回しか授業がないから3科目でもいけそうな気がするんですが、正直めちゃくちゃしんどいです。
私が1期(3ヶ月)で3科目受講したときは、キャパオーバーで各科目の学びが浅くなってしまいました。
2科目ずつ受講していたときでも、盛りいっさい無しで1日平均3時間勉強していました。なので1期(3ヶ月)で2科目に抑えるべきです。
3科目を2科目にするための制度が単科生制度です。
単科生制度とは入学前でも本科生と同じ講義を受けられ、卒業生の98.6%が利用しています。
受けられる科目は基礎知識が中心ですが、思考系/マーケティング/ファイナンス/組織など幅広い分野で14科目が用意されています。
単科生は最大8科目受講できて、取得した単位と払った学費は入学すれば持ち越せます。
単科生制度でグロービスの講義を受け、続けるかどうか判断しても良いと思います。
1科目13万くらいかかりますが、講義を受けてもビジネス上効果がなかったと思えば、事務局に抗議して返金してもらえる制度もあります。クオリティギャランティ制度です。
単科生制度はMBAのハードルを下げてくれる良い制度だと思います。
費用
単科生:128,000円/1科目(最大8科目受講可能) 本科生:2,998,000円/2年(卒業に必要科目数は大体24科目) 教育訓練給付金:最大112万円が国から支給される(ただし条件をみたすこと)
単科生を8科目受けると128,000円×8=1,024,000円が、本科生の学費2,998,000円から差し引かれます。
なので単科生を8科目受講しておくと学費は3年で毎年100万に分散することができます。
2年で300万払うのと3年で300万払うのだと3年の方が嬉しいですよね。
教育訓練給付金を得られれば、総学費は1,878,000円になります。
海外MBAは10,000,000円とかかかるので1/5で済むなんて経済的です。わたしも給付してもらうことができたので助かりました。
単科生制度は経済的に助かるだけでなく、勉強の負担も軽減してくれます。
講義は卒業までに大体24科目の受講が必要ですが、単科生で8科目とっておくと本科生では16科目で良いので日々の勉強の負担が軽減されます。
単科を利用すると3ヶ月で2科目を3年続ければ良いです。
私のように同時に3科目とって学びが浅くなる心配も少なくなると思います。
入試
入試はありますが、受ければ9割以上が合格しているのではないでしょうか?
私は落ちた方とお会いしたことがあるので、合否の基準はあるみたいです。
しかし誰もその基準はわかりません。入試は以下のとおりです。
条件:入学時点で社会人経験2年以上
1次審査:課題エッセイ/職歴/学歴/成績証明書など
2次審査:面接/筆記試験(クリシンC判定以上なら免除)
課題エッセイが面倒でしたが、文章力のない理系の私でも合格できたので大丈夫だと思います。
卒業条件
普通の大学と同じで単位を取る必要があります。必須科目も設定されており、取得していないと単位が足りていても卒業できません。卒業の条件は以下のとおりです。
36単位取得(24〜25科目相当)
必須科目全取得
GMAP合格
卒業論文はありません
卒業論文がないのが驚きでした。代わりにGMAPというグロービスが作成した経営学の知識レベルをみるテストに合格する必要があります。
しっかり勉強していれば合格できると思いますが、ごくたまにGMAP留年する方もいらっしゃいます。
GMAPだけで留年するのは時間とお金の無駄なので一発合格したほうが良いです。
講義内容

当然の疑問だと思いますが、海外でもグロービスでも学ぶ内容はほとんど同じだと思っています。
理由は2つあります。
1つはハーバードやスタンフォードと同じケースメソッドを使っているからです?。
2つは経営学のフレームワークで教えるべきことは同じだからです。(ただし生徒の質は海外トップ校のほうが圧倒的に高いです)
経営学を実践で活かすには本だけで学ぶのは厳しいと思います。
ケースメソッドで実際の企業で起きた事実を読んで、自分ならどう市場分析してどういった事業を展開していくのかを考えぬくのが一番です。
予習→講義→復習→実践の繰り返し
予習はケースを読んで、与えられた宿題をWord文書でまとめます。
ケースは基礎科目だと5ページくらいですし、応用科目になってくると10〜40ページくらいのボリュームになってきます。
私は仕事でWord文書をつくることがなかったので、最初の科目で非常に戸惑って小学生の作文みたいなものを課題で提出していました。いま見返えすと恥ずかしいです。
講義は3時間で予習内容をもとに進めます。クラスは科目ごとに違うメンバーになり、30名くらいだと思います。
5-6人のグループに分かれて、予習でまとめた自分の考えをメンバーに伝えたり、メンバーの考えを聞いて、互いに意見を言って理解を深めていきます。
自分より優秀だと思う人とグループになるとより成長できます。優秀な人が話すことっていちいち納得するんです。
優秀な人に追いつき追い越すために次の予習はめちゃくちゃ頑張れます。体育会出身だからなのか負けん気で取り組んでました。
復習は学んだことをどう活かしていくかをFacebookや掲示板などで共有します。
自分の考えを再度まとめて整理できますし、クラスメンバーの振り返りを見て新しい気づきを得ることができます。
学んだことは実践あるのみです。部署によって使える知識は違いますが、とにかく実務に落とし込むことが大切です。
予習→講義→復習→実践を繰り返せば、卒業のときには2倍以上パワーアップした自分になっているはずです。
科目の成績
成績は以下の4つの合計点をもとに、クラスメンバーの相対評価でA/B/C/D/Fの5段階で決まります。
課題提出点
レポート点
講義の発言の質・量の点
最終講義の振り返りアサイメント点
第4回目の講義で提出するレポートが成績に最も重要です。レポートは予習と同じでケースを読んで与えられた課題をword文書で提出します。
予習よりボリュームが多いので大変ですが、ここを頑張らないと良い評価はつきません。
講義中の発言にも点数が付くのがグロービスの特徴ではないでしょうか?量と質の2つで評価され、講義後に何点だったか見れます。
講義では発言したほうが自分の身になりますし、成績も良くなるので積極的にしてください。力は発言量にある程度比例します。
講師と生徒
グロービスの講師はとても優秀な方が多く教えるのもすごく上手です。私が仕事で議論したり、教育するときは講師の話し方の真似をしてます。
講師になるには基準があり、講師による品質バラツキはなくす仕組みがあります。
講師デビューする前には審査員の前で模擬授業をして合格しないとクラスを持てないみたいです。
講師はビジネス経験者ばかりです。アカデミック出身はほとんどいないです。
MBAホルダーの方もいますし戦略コンサル、4大監査、外銀出身の方や自分で事業をしてる方もいます。日系企業に勤めてた方もいますし、グロービス社員の方もいます。
堀学長は事業立ち上げのとき講師でしたが、さすがにもうやっていません。
飲み会で講師の話を聞くのはとても有意義で、けっこう参加してました。ただ万人ウケする講師なんていないので、自分に合う合わないは必ずあります。
生徒も多様で製造業、飲食業、経営者、IT、製薬、医者、士業などほとんどいるのではないでしょうか?役職も下っ端から役員クラスまでいます。
いろんな業界のことをいろんな角度からきけるので、それだけでもグロービスに通う価値あると思います。
同期が数百人もいると全く面識がない人がいます。しょうがないです。
卒業したあとのキャリア
同級生はコンサルやM&Aなどに転職したり、経営企画のような部署へ異動したり、事業継承したり様々です。
私は転職活動して内定をもらいましたし、希望していた事業企画へ異動できました。
2019年度はまだ転職市場も活気があり内定がもらいやすい時期ですが、これから不況になると状況が変わるかもしれません。
大事なことはMBAに限らず学び続けることと、仕事で実績を出し続けることです。
そうすれば転職は比較的有利に進められます。
しかしまだMBAに通学するかどうか迷っている人もいると思います。
そういった人にMBAの書籍を紹介します。
グロービスが出版している本でMBAで学ぶ内容が広く書かれているため、読んでみて興味が出たら無料体験クラスに出ると良いと思います。
まとめ
ポイント
入試は簡単。
単科生を活用して3年でMBAを取ろう。
先生や生徒に尊敬できる人を見つけよう。
予習→講義→復習→実践でパワーアップ
卒業後はキャリアの選択肢が圧倒的に広がる。
働きながらMBAを取るのは大変です。睡眠不足になります。でも価値があります。是非みなさんも学んでみてください。
関連記事